京都大学再生医科学研究所10周年記念式典 挨拶 (2008年12月4日)

第25代総長 松本 紘

松本総長 本日ここに京都大学再生医科学研究所の设立10周年记念式典が挙行されるにあたり、一言お祝いの言叶を申し上げます。

 再生医科学研究所の前身である、胸部疾患研究所は、昭和16年3月に结核の予防及び治疗を主轴とする结核研究所として设置され、昭和42年6月には结核胸部疾患研究所に名称変更、さらに昭和63年4月には胸部疾患に関する学理及びその応用の研究を目的とした胸部疾患研究所へ改组されました。胸部疾患に関する研究?治疗を取り巻く社会的要请の変化から、胸部疾患研究所は57年间にわたる使命を终え、平成10年4月に同研究所の基础系分野及び临床系分野の一部と、人工臓器の研究?开発に関して顕着な业绩を上げてきた生体医疗工学研究センターとが统合し、生体组织及び臓器の再生に関する学理及びその応用の研究を目的とする、再生医科学研究所に改组?転换され现在に至っています。

 本邦における初めて再生医学を冠した研究所として设立された訳ですが、干细胞生物学の分野では、我が国初のヒト胚性干细胞(贰厂细胞)の树立研究を承认された施设として、平成15年11月までに3株の树立に成功し、ヒト贰厂细胞の树立及び分配にあたり、我が国における贰厂细胞研究の推进に大きく贡献されてきました。さらに、マウス続いてヒト诱导多能性干细胞(颈笔厂细胞)の作製という革新的成果を世界に発信し、我が国における再生医学研究の高さを示すことに大きく贡献されていることは、皆様よくご存じのとおりであります。

 教育の面で再生医科学研究所は、医学研究科、工学研究科、理学研究科の协力讲座となっており、100名以上の大学院生を受け入れ、次代を担う世界トップレベルの若手研究者を育ててきました。今后とも、多様な学问分野から育った研究者が共に研究を进め交流することによって新たな展开を目指す研究として、研究教育に大きな贡献をされることを期待しております。

 また、本年10月1日付けで共同利用?共同研究拠点「再生医学?再生医疗の先端融合的共同研究拠点」として文部科学大臣の认定を他の研究所に先駆け受けました。これも再生医科学研究所が再生医学?再生医疗の実施机関として全国の研究者からの期待の现われだと考えています。

 本日の式典を心から祝福いたしますとともに、再生医科学研究所が今后一层世界の再生医疗?再生医学の进歩に贡献されることを念愿してやみません。

 以上をもってお祝いの言叶といたします。

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