第25代総長 松本 紘
卒业生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。卒业生のご両親ならびにご親族の方々には、今日のよき日を迎えられましたことにお祝い申し上げます。
さて、私は常々みなさんが京都大学で垣间见ることができた学问の本质は、「真実をめぐる人间関係」であると思っています。どのような研究対象でも最终的には人间にたどり着きます。そして、学问は人の営為です。大学生活では心をふるわすいくつかの出会いを経験されたことでしょう。同世代の友との出会いや教员との出会いの中で、これまでの自分にはなかった个性的な考え方や感じ方を多く学んできたことと思います。これからの人生においても数え切れないほどの人々とかかわり、そして自分を磨いていってください。人と豊かに綾なし、自らを生き生きと彩る。そのためには、何事にもとらわれることなく、寛容で、そして京都大学の学风といわれる自由な心が大切です。
大学は、多彩で深远な教养に触れ、専攻分野の専门的な教育を受け、未来を切り拓いていく人生の基轴を筑くところです。大学での学びの経験を土台に、これからみなさんそれぞれが様々な経験を重ね、社会のために知识や知恵を生み出し、活跃してほしいと思います。
大学を卒业されたといっても、学びは终わったわけではありません。むしろ本当の学びはこれからかもしれません。しかし、十分な基轴はこれまでに培われたと思います。京都大学は社会に开かれた大学を目指し、人生の基轴基地としての役割を构筑してゆきます。卒业后もたびたび大学を访れ、自らの可能性を広げるために京都大学を人生の基轴地として积极的に活用し、みなさんが大学と綾なす辉かしい未来を実现されますことを総长として期待しています。