フェルナンド?オルギン 基础物理学研究所特任助教(兼:国立天文台特任助教)、大屋瑶子 同講師およびパトリシオ?サンウェサ 東京大学准教授らの研究グループは、大型電波干渉計アルマ(ALMA)を用いた電波観測実験を行い、細長く伸びる構造に沿ったガス流(ストリーマ)が、生まれて間もない大質量星の成長を助ける様子を捉えました。このストリーマは、原始星の母体である分子雲コアがもつ物質を、コアの中心部にある原始星近傍の高密度領域まで、直接送り届ける高速道路のような役割を果たしていると考えられます。通常の星形成のシナリオでは、大質量星からのフィードバックと呼ばれる効果によって、星を成長させるための材料となるガスの流入が妨げられるため、現在見つかっているような大きな質量を持つ星を作ることができないという問題が認識されてきました。この研究の成果は、フィードバック問題を解決する機構として、ストリーマがガスの運搬機能を実際に果たしている様子を初めて捉えたものであり、大質量星の形成シナリオの解明に大きく近づく重要な成果といえます。
本研究成果は、2025年8月20日に、国際学術誌「Science Advances」に掲載されました。

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【书誌情报】
Fernando A. Olguin, Patricio Sanhueza, Adam Ginsburg, Huei- Ru Vivien Chen, Kei E. I. Tanaka, Xing Lu, Kaho Morii, Fumitaka Nakamura, Shanghuo Li, Yu Cheng, Qizhou Zhang, Qiuyi Luo, Yoko Oya, Takeshi Sakai, Masao Saito, Andrés E. Guzmán (2025). Massive extended streamers feed high-mass young stars. Science Advances, 11, 34, eadw4512 .