植物间の塩ストレス情报伝达を地上と地下で同时解明―受信者の遗伝的距离に応じて异なる伝达机能―

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 山尾僚 生态学研究センター教授、大崎晴菜 名城大学助教、廣田峻 福島大学准教授、弘前大学、イスラエル?ネゲヴ?ベン?グリオン大学(Ben-Gurion University of the Negev)の研究チームは、日本の在来植物であるオオバコ(Plantago asiatica)が塩ストレスを受けた际に、地上と地下の両方を通じてストレス情报を他の个体に伝达していること、さらに情报が伝わる相手が地上部と地下部で异なることを明らかにしました。塩ストレス情报は、地下部の根を介した场合、同じ亲个体由来のきょうだい个体间で伝达されやすい一方、地上部の空気(挥発性化合物など)を介した场合は、遗伝的な差异に関係なくすべてのオオバコ个体に伝わり、塩ストレスに対して有効と考えられる気孔を闭じる反応を诱発することが分かりました。これらの结果は、地上部と地下部の情报伝达がそれぞれ异なる机能をもつことで复雑な个体间の情报伝达が行われている可能性を示しています。今后は、このような情报のやりとりがオオバコの生存や成长、そして集団全体のストレス耐性にどのように影响しているのかを详しく调べることで、植物の集団レベルでのストレス耐性机构の解明が期待されます。

 本研究研究は、2025年8月12日に、国際学術誌「Plant Signaling & Behavior」に掲載されました。

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研究成果の概念図
研究者のコメント
「今回の実験から、植物群落内では地上部と地下部の両方を通じて复雑な情报伝达が行われている可能性が示されました。今后は、植物同士がどのように情报をやり取りしながら、多様なストレスへの耐性を群落全体で高めているのかを解明し、植物の集団生活の実态に迫っていきたいと考えています。」(山尾僚)

「地上部と地下部で情报が伝わる相手が异なるという结果は、私たちも予想していなかった兴味深い発见です。この违いはオオバコにとって、多様な环境で生き延びるための戦略のひとつである可能性があります。今后は、こうした情报伝达の仕组みがどのように生まれ、高度化してきたのかを纽解き、植物の巧みなコミュニケーション能力の进化プロセスにも迫りたいと考えています。」(大崎晴菜)

「一般に、同种の他个体は竞争相手とみなされます。それにもかかわらず、一见すると竞争相手を利するような现象は、なぜ进化したのでしょうか。また、地下部と地上部で情报が伝达される相手に违いがあることには、どのような适応的意义があるのでしょうか。本研究の成果はこうした疑问を提起し、复雑な生物间相互作用の解明に向けた足掛かりとなります。今后の研究の展开に是非ご期待ください。」(广田峻)

研究者情报
研究者名
山尾 僚
书誌情报

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【书誌情报】
Kai Ito, Haruna Ohsaki, Ariel Novoplansky, Shun K. Hirota, Akira Yamawo (2025). Integrated above- and below-ground interplant cueing of salt stress. Plant Signaling & Behavior, 20, 1, 2542560.