山敷庸亮 総合生存学館教授、ヨシュコ?トロシェリ 防災研究所研究員、佐山敬洋 同准教授、佐々木俊明 同工学研究科修士課程学生(現?JR東海)、寶馨 総合生存学館長、黒木龍介 同修士課程学生、山形俊男 学際融合教育研究推進センター宇宙総合学研究ユニット特任教授、セルゲイ?ウ?ァーラモフ 海洋研究開発機構研究員、宮澤泰正 同主任研究員、マリー?ファニー?ラコー 英国プリマス海洋研究所博士らの研究グループは、大型台風通過時にどのように河川から淡水が沿岸部に拡散するのか、数値シミュレーションと衛星リモートセンシングの比較を通じて明らかにしました。
本研究成果は、「Journal of Hydrology」誌(2017年12月号)に掲載されました。
研究者からのコメント
(上段)左から、山敷教授、トロシェリ研究员、佐山准教授、佐々木博士课程学生、宝学馆长
(下段)左から、黒木修士课程学生、山形特任教授、ウ?ァーラモフ研究员、宫泽主任研究员、ラコー博士
本研究では、台风による海洋への极端淡水流出を初めて定量的かつ定性的に影响评価できるスキームを构筑できたので、他の极端流出イベントにも适用できるようになりました。今后、気象予测データと连结すれば、海洋环境への影响を事前に把握できることになり、沿岸域の総合的管理に大きく贡献することになります。
概要
これまで、台风に伴い大量の淡水が川から海へ流れることは指摘されていましたが、どの程度の规模の台风でどの流域からどの规模の流出が起こりうるのか、またそれが沿岸域の淡水分布にどのような影响を与えうるのかの详细を説明するモデルは构筑されていませんでした。
今回の研究では2002年の台风颁丑补迟补补苍と2011年の搁辞办别の分析?比较に加え、人工卫星から観测した海洋プランクトンの分布も加味し、既に构筑されている二つの陆域?海洋モデルを统合しました。その结果、复数の台风出水の状况をよく再现し、かつ実际の沿岸域の分布状况をよく再现するモデルを构筑することができました。
台风に伴い淡水が移动する际には、水だけではなく土壌や栄养分も同时に海へ流れ込みます。また、 では、2011年の原発事故时に放出された放射性物质が移动したルートの一つとしても取り上げられています。海洋环境へ大きく影响するこの种の水の动きを正确にモデル化することで、台风到来前にあらかじめ环境への影响を评価することができるようになると考えられます。
図:(左)モデルを用いて计算された塩分浓度(搁辞办别台风通过前と通过后)、(右)卫星リモートセンシングを用いて観测された海洋のクロロフィル补浓度(搁辞办别台风通过前と通过后)。淡水が広がっている领域に、植物プランクトンの顕着な増加が确认できる。
详しい研究内容について
书誌情报
【顿翱滨】
Josko Troselj, Takahiro Sayama, Sergey M.Varlamov, Toshiharu Sasaki, Marie-Fanny Racault, Kaoru Takara, Yasumasa Miyazawa, Ryusuke Kuroki, Toshio Yamagata, Yosuke Yamashiki(2017). Modeling of extreme freshwater outflow from the north-eastern Japanese river basins to western Pacific Ocean. Journal of Hydrology, 555, 956-970.