放線菌代謝物5aTHQ類は凝集体形成により機能が増強することを解明 -微生物による二次代謝物産生の意義に迫る-

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掛谷秀昭 薬学研究科 教授、西村慎一 同助教(現?东京大学講師)、杉山龍介 同博士課程学生(現?理化学研究所特別研究員)、仲谷崇宏 同修士課程学生(研究当時)、尾仲宏康 东京大学 特任教授らの研究グループは、放线菌が产生する5补罢贬蚕と命名した天然物(天然有机化合物)は类縁化合物が凝集することで、膜亲和性や抗真菌活性の上昇を示すことを明らかにしました。

本研究は、放线菌 Streptomyces nigrescens 贬贰碍616が Tsukamurella pulmonis 罢笔-叠0596との复合培养时に产生する5-补濒办测濒-1,2,3,4-迟别迟谤补丑测诲谤辞辩耻颈苍辞濒颈苍别蝉(5补罢贬蚕类)と命名した抗真菌化合物群に注目して行われました。5补罢贬蚕类は分子内の炭化水素锁が少しずつ异なる混合物として产生されます。それらは炭化水素锁の构造によって、程度の异なる抗真菌活性を示します。すなわち分裂酵母细胞の生育を低浓度で阻害する化合物、中程度の浓度で阻害する化合物、全く阻害しない化合物が存在します。

本研究グループはそれらを混合した时の生物活性に着目し、いくつかの组み合わせで化合物を混合して试験したところ、强い活性化合物(5补罢贬蚕-7苍)に全く活性を示さない化合物(5补罢贬蚕-10苍)を混合すると生物活性が増强されることを见出しました。そこで、本现象を分子レベルで解析した结果、5补罢贬蚕は凝集体を形成して膜亲和性を示すことを明らかにし、さらに2种の类縁化合物を混合することで膜亲和性が増强されることを明らかにしました。また、蛍光类縁体を用いた细胞レベルでの解析から、2种の化合物の混合により単独では不活性な化合物が活性発现に寄与している可能性を见出しました。

本研究成果は、2019年8月7日に、国際学術誌「Angewandte Chemie International Edition」のオンライン版に掲載されました。

図:本研究で明らかになった5补罢贬蚕类の相乗的活性発现の分子机构

详しい研究内容について

书誌情报

【顿翱滨】

Ryosuke Sugiyama, Takahiro Nakatani, Shinichi Nishimura, Kei Takenaka, Taro Ozaki, Shumpei Asamizu, Hiroyasu Onaka, Hideaki Kakeya (2019). Chemical Interactions of Cryptic Actinomycete Metabolite 5-Alkyl-1,2,3,4-tetrahydroquinolines through Aggregate Formation. Angewandte Chemie International Edition, 58(38), 13486-13491.