佐藤彻 福井谦一记念研究センター教授、松田建児 工学研究科 教授らの研究グループは、溶液中で発光しない分子が固体中で発光する、凝集诱起発光(础滨贰贰)现象のメカニズムを理论的に解明し、この発光机构を実现するための一般的な设计指针を提案しました。
通常の発光分子では、希薄溶液中では発光するが浓度が高くなると発光しなくなる浓度消光という现象が知られています。これは浓度上昇に伴い分子が凝集することで起こると考えられており、溶液では発光する分子が固体中で発光しないことも同じ原因であると考えられてきました。础滨贰贰は、浓度消光とは异なり、分子が固体中などの凝集状态において强い発光特性を示す现象です。
本研究グループは、础滨贰贰が固体中で分子间で形成される励起状态(エキシマー)からの无辐射迁移(内部転换)の抑制に起因し、その抑制効果が分子间の配向に依存することを见出しました。この知见は、有机エレクトロルミネッセンス(贰尝)素子や有机薄膜太阳电池など光を利用した分子性固体素子の设计に幅広く応用することができます。
本研究成果は、2020年4月20日に、国際学術誌「Journal of Materials Chemistry C」のオンライン版に掲載されました。
図:本研究のイメージ図
详しい研究内容について
书誌情报
【顿翱滨】
Wataru Ota, Ken Takahashi, Kenji Higashiguchi, Kenji Matsuda and Tohru Sato (2020). Origin of aggregation-induced enhanced emission: role of pseudo-degenerate electronic states of excimers formed in aggregation phases. Journal of Materials Chemistry C, 8(24), 8036-8046.
- 日刊工業新聞(6月8日 17面)に掲載されました。