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私たちの体の中では、鉄の働きによって细胞が壊れる「脂质の酸化」が起こることがあります。これが进むとフェロトーシスと呼ばれる细胞死が起き、肝臓などさまざまな病気の原因になることが知られています。ところが、これまでフェロトーシスを体の中で直接调べるには、肝臓の一部を取り出すような体に负担の大きい検査が必要でした。
松岡悠太 医学研究科特定助教、杉浦悠毅 同特定准教授らの研究グループは、勝俣良紀 慶應義塾大学専任講師、中本伸宏 同准教授、井口公太 田附興風会医学研究所北野病院副部長らとの共同研究により、フェロトーシスが進むと「鉄の匂い分子」として知られる特殊な物質がガスとして細胞から放出されることを発見しました。この分子は、肝臓病のマウスだけでなく、脂肪性肝疾患の患者さんの呼気(吐いた息)からも検出されました。つまり、息を調べるだけで病気の進行を知ることができる可能性が示されたのです。この研究は、体に負担をかけずにリアルタイムで病気を調べられる新しい診断法につながると期待されます。
本研究成果は、2025年9月2日に、国際学術誌「Redox Biology」にオンライン掲載されました。

研究者のコメント
「生体由来の挥発性分子は极めて微量であり、かつガス状であるため取り扱いが困难で、解析手法の确立には多大な労力を要しました。足掛け叁年にわたる试行错误を経て、本研究を纳得のいく形で论文として缠められたことを心より喜ばしく思います。挥発性代谢物は、生命科学分野ではあまり研究が进んでいない、いわば未开拓のケミカルスペースです。本研究にて开発した分析技术をさらに発展させ、この生命科学研究に残された新たなフロンティアを着実に开拓していきたいと思います。」(松冈悠太)
详しい研究内容について
研究者情报
研究者名
松岡 悠太
研究者名
杉浦 悠毅
関连部局