腎臓病の予後を予測する新規障害マーカーの発見 -腎障害と共に三次リンパ組織は成熟する-

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柳田素子 医学研究科教授(兼?高等研究院ヒト生物学高等研究拠点(ASHBi)主任研究者)、佐藤有紀 同特定助教らの研究グループは、腎臓病の高齢マウスの腎臓中に「三次リンパ組織」(リンパ節のような組織)が様々な成熟段階で存在することを明らかにしました。そして、成熟度に基づいた三次リンパ組織のステージ分類を新たに確立し、本ステージがヒト?マウス腎臓において腎臓病の障害度を反映すること、治療により可逆性があることを明らかにしました。

现在血液透析患者数は年々増加し、医疗的にも社会的にも大きな问题になっています。高齢者の肾臓病は若年者と比べて治りにくいと言われていました。本研究グループは、その原因解明に取り组み、高齢マウスの肾臓病では肾臓の中に叁次リンパ组织ができることで炎症が迁延し、肾臓が修復できなくなることを発见していました。叁次リンパ组织は他の様々な肾臓病でも诱导されることが知られていましたが、その评価系が存在しない為、临床的意义は不明でした。

本研究により得られた知见は叁次リンパ组织が新规肾予后マーカーとなる可能性を示すものであり、肾臓病のより効率的な治疗介入の可能性を开くものです。

本研究成果は、2020年5月28日に、国際学術誌「Kidney International」のオンライン版に掲載されました。

図:肾臓の叁次リンパ组织の多様性とステージ分类

详しい研究内容について

书誌情报

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Yuki Sato, Peter Boor, Shingo Fukuma, Barbara M. Klinkhammer, Hironori Haga, Osamu Ogawa, Jürgen Floege, Motoko Yanagita (2020). Developmental stages of tertiary lymphoid tissue reflect local injury and inflammation in mouse and human kidneys. Kidney International, 98(2), 448-463.

  • 京都新聞(6月3日 23面)、日刊工業新聞(5月29日 27面)に掲載されました。