武井智彦 白眉センター特定准教授、Amit Yaron 国立精神?神経医療研究センター研究員、David Kowalski 同訪問研究員、関和彦 同部長は、自由自在な動きが特徴の霊長類の手や腕が、脊髄にある多機能な運動細胞群によってコントロールされていることを発見しました。
私たちの神経系による运动制御について、「运动モジュール」仮説が広く认められています。これは、神経系は脊髄にある少数の神経细胞群(运动モジュールと呼ばれる)を组み合わせて制御しているという仮説です。この仮説はこれまでカエルを中心にその証拠が示されてきましたが、ヒトを含めた霊长类においては証明されていませんでした。
本研究グループでは、上记のカエルを対象とした先行研究の実験手法を応用して、マカクサルの脊髄においてこの「运动モジュール」を同定する方法を开発しました。つまり、腕の运动に関わる脳からの信号を筋肉に伝える中継点である脊髄に多数の刺激电极を埋め込み、电気刺激とそれによって引き起こされた筋肉の活动の関连性の分析から、「运动モジュール」に相当する神経细胞群を発见する方法です。そして、この方法を用いて霊长类の脊髄に初めてその神経细胞群を発见しただけでなく、カエルと异なり霊长类の「运动モジュール」は运动の方向と大きさを别々に制御し、かつ同时にできることを発见しました。本研究は霊长类の手や腕の运动制御メカニズムを解明しただけでなく、その异常にともなう様々な运动障害の解明やリハビリへの応用、また効率的なロボットハンドの制御など様々な社会的波及効果があると考えられます。
本研究成果は、2020年10月13日に、国際学術誌「PNAS(米国科学アカデミー紀要 ) 」のオンライン版に掲載されました。
図:本研究のイメージ図(イラスト:Amit Yaron、NCNP)
详しい研究内容について
书誌情报
【顿翱滨】
【碍鲍搁贰狈础滨アクセス鲍搁尝】
Amit Yaron, David Kowalski, Hiroaki Yaguchi, Tomohiko Takei, and Kazuhiko Seki (2020). Forelimb force direction and magnitude independently controlled by spinal modules in the macaque. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 117(44), 27655-27666.