近藤武史 生命科学研究科特定講師 (現:理化学研究所チームリーダー)、坂口峻太 同博士課程学生(日本学術振興会特別研究員DC1、現:同研究員)らの研究グループは、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)原肠胚を构成する各细胞における全遗伝子の発现を定量解析し、高解像度の空间情报を含む1细胞遗伝子発现アトラスを构筑しました。
动物のゲノムには数万の遗伝子がコードされています。そして、この数万の遗伝子が复雑に络み合いながら协调して働くことによって、复雑な発生现象が正确に进行すると考えられます。しかし、遗伝子が时空间的に协调して発生を制御する仕组み?ルールの理解には未だ至っていません。その理由の一つとして、発生中の胚における细胞単位での定量的な遗伝子発现情报が不足していることが挙げられます。
キイロショウジョウバエ原肠胚はまさに细胞分化とダイナミックな形态形成が进行している発生段阶であり、本研究で构筑した1细胞遗伝子発现アトラスは、ゲノム情报による発生制御の仕组みのさらなる理解へと贡献することが期待されます。
本研究成果は、2023年7月10日に、国際学術誌「Cell Reports」に掲載されました。

「一つの受精卵から生物の身体が作られる実に惊くべき过程は、自然が生み出した巧妙な仕组みによって制御されています。その仕组みを解き明かしていくのはとても心跃る试みです。本成果はそんな研究の基盘となるものであり、今后、本成果を利用した研究が新たな知见をもたらしてくれることに期待しています。」(坂口峻太)
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【书誌情报】
Shunta Sakaguchi, Sonoko Mizuno, Yasushi Okochi, Chiharu Tanegashima, Osamu Nishimura, Tadashi Uemura, Mitsutaka Kadota, Naoki Honda, Takefumi Kondo (2023). Single-cell transcriptome atlas of Drosophila gastrula 2.0. Cell Reports, 42(7)112707.