「骨」まで剥き出しになった超新星―宇宙で稀に见る爆発、元素工场の直接的証拠―

ターゲット
公开日

 武井勇樹 基础物理学研究所特定研究員、前田啓一 理学研究科教授らの国際研究グループ(米国ノースウェスタン大学(Northwestern University)、スウェーデン?オスカー?クライン?センター(Oskar Klein Centre)、イスラエル?ワイツマン科学研究所(Weizmann Institute of Science)ほか)は、外層をほとんど失い、最深部がむき出しになった大質量星が爆発したと考えられる超新星を世界で初めて発見しました。大質量星は水素やヘリウムから始まって、中心部でより重い元素を次々と生成することで玉ねぎのような層構造を形成し、最深部には鉄の核を取り囲むシリコン?硫黄を含んだ層ができることが理論的に予言されてきましたが、この構造を直接的にとらえた観測的証拠はこれまで発見されていませんでした。本研究では超新星SN 2021yfjから届いた光を波長(色)に「分解」することで、超新星を起こす前の大質量星が爆発のはるか前に軽い元素で構成された外層を失い、爆発時にはシリコンや硫黄に富んだ最深部が露出していたことを発見しました。これは、長年にわたり恒星進化理論の基本とされてきた大質量星の層構造を観測的に明らかにするための、大変重要な一歩です。

 本研究成果は、2025年8月20日に、国际学术誌「狈补迟耻谤别」にオンライン掲载され、当该号の表纸に採用されました。

文章を入れてください
超新星SN 2021yfjの爆発直前の大質量星の様子の想像図。外層の大部分が放出されて、シリコンや硫黄を含む中心部がむき出しになっている。?W. M. Keck Observatory / Adam Makarenko
研究者のコメント

「私はこれまで、爆発によって放出された物质が大质量星から剥がされた物质と衝突して明るくなる超新星の研究を楽しんできました。その中で、独自の计算コードを开発して広く研究者へ公开したものが颁贬滨笔厂と呼ばれるコードであり、本研究でも活跃しました。元々は数値计算が嫌いだったのに、何か目的があってずっとプログラミングを顽张っていたらいつの间にかそれ自体が好きになっていました。不思议ですね。」(武井勇树)

「窜罢贵をはじめとする最新の探査観测により、それまで知られていた枠组みに収まらない特徴を示す超新星が次々に発见されていますが、今回のものはその极めつけともいえるものです。超新星や突発天体の研究は急激に発展しており、ベラ?ルービン天文台の尝厂厂罢计画という、チリに建设された大口径望远镜を用いた大规模探査计画もちょうど动き出しました。今后さらにどのような天体が発见されるか楽しみにしています。」(前田启一)

研究者情报
研究者名
Yuki Takei
研究者名
前田 啓一
书誌情报

【顿翱滨】

【碍鲍搁贰狈础滨アクセス鲍搁尝】

【书誌情报】
Steve Schulze, Avishay Gal-Yam, Luc Dessart, Adam A. Miller, Stan E. Woosley, Yi Yang, Mattia Bulla, Ofer Yaron, Jesper Sollerman, Alexei V. Filippenko, K-Ryan Hinds, Daniel A. Perley, Daichi Tsuna, Ragnhild Lunnan, Nikhil Sarin, Seán J. Brennan, Thomas G. Brink, Rachel J. Bruch, Ping Chen, Kaustav K. Das, Suhail Dhawan, Claes Fransson, Christoffer Fremling, Anjasha Gangopadhyay, Ido Irani, Anders Jerkstrand, Nikola Kne?evi?, Doron Kushnir, Keiichi Maeda, Kate Maguire, Eran Ofek, Conor M. B. Omand, Yu-Jing Qin, Yashvi Sharma, Tawny Sit, Gokul P. Srinivasaragavan, Nora L. Strothjohann, Yuki Takei, Eli Waxman, Lin Yan, Yuhan Yao, WeiKang Zheng, Erez A. Zimmerman, Eric C. Bellm, Michael W. Coughlin, Frank J. Masci, Josiah Purdum, Micka?l Rigault, Avery Wold, Shrinivas R. Kulkarni (2025). Extremely stripped supernova reveals a silicon and sulfur formation site. Nature, 644, 8077, 634–639.