邉見由美 フィールド科学教育研究センター助教と伊谷行 高知大学教授の共同研究グループは、日本初記録のテッポウエビ類の一種 Betaeus levifronsを5个体採集し、カクレテッポウエビモドキの和名を提唱しました。本种はこれまでロシアのピョートル大帝湾でのみ确认されており日本海固有の分布をしている可能性がありましたが、太平洋岸で记録されたのは今回が初めてです。
本种は、砂泥に巣穴を掘って生活する甲殻类アナジャコ Upogebia majorの巣穴内から発見されました。また、本研究では本種の体色の個体差や繁殖期、ミトコンドリアDNAの一部(16S rRNAおよびCOI領域)の配列情報も取得し、種の同定および系統関係の理解に役立つデータを提供しています。さらに、宿主であるアナジャコの巣穴に共生する生物相の知見を整理しました。
本研究成果は、2025年7月15日に、国際学術誌「Journal of the Marine Biological Association of the United Kingdom」にオンライン掲載されました。

「Betaeus属は、他の多くのテッポウエビ类にみられるものとは逆向きのハサミをもつという、兴味深い形态をしています。」(邉见由美)
「はじめてこのエビを採集した时には、西日本での研究の先入観から北海道のクボミテッポウエビは大きいなあ、なんて思ってしまいました。テッポウエビ科にはまだまだ面白いグループがあることを身にしみて感じました。」(伊谷行)
【顿翱滨】
【书誌情报】
Yumi Henmi, Gyo Itani (2025). The first record of Betaeus levifrons (Decapoda: Caridea: Alpheidae) from the Pacific Coast of Japan, with remarks on symbiosis with Upogebia major. Journal of the Marine Biological Association of the United Kingdom, 105, e79.